【アレルギー対策】敏感肌でも安心のスキンケア選び＆指定成分表示のメリットデメリット

10/02/2025

50代の女性の中には、「若い頃と同じ化粧品を使っているのに、最近は肌がピリピリすることが多くなった」「化粧品成分をしっかり見ても、どれがアレルギーを起こす可能性があるのか分かりづらい」といった悩みをお持ちの方が少なくありません。加齢による肌のバリア機能低下やホルモンバランスの変化、さらには環境要因などが複雑に絡んで、アレルギー反応や刺激を感じやすい“敏感肌”に傾きがちだからです。
このブログ記事では、アレルギー対策を意識したスキンケア選びのコツに加えて、「指定成分表示」のメリットとデメリットについてお伝えしていきます。

50代女性はなぜ敏感肌になりやすいのか

40代以降になると、肌の皮脂分泌量や水分量が若い頃と比較して大幅に減少します。その結果、乾燥しやすくなり、肌表面のバリア機能が弱まりがちです。さらに、更年期前後にはホルモンバランスが崩れやすく、肌荒れや赤み、かゆみなどのトラブルが出やすくなることも特徴です。こうした要因が重なると、これまで問題なく使えていた化粧品でも、ある日突然「しみる」「ヒリヒリする」という感覚を覚えるようになる場合があります。

バリア機能の低下：水分・皮脂の減少による乾燥
ホルモンバランスの変化：更年期の影響で肌状態が不安定に
生活習慣やストレス：睡眠不足や食生活の乱れが肌トラブルを増幅

こうした状況を踏まえ、敏感肌に傾いた肌を守るためには、まず刺激をできるだけ減らすことと、十分な保湿を行い、バリア機能を補強することが重要です。

アレルギーと敏感肌の違いを理解する

肌が赤くなったり、かゆみが出たりすると「アレルギーかも？」と不安になることがあるでしょう。ですが、「敏感肌」と「アレルギー」には明確な違いがあります。

敏感肌

原因：肌のバリア機能が低下している状態。乾燥や刺激、季節の変化など、さまざまな要因が引き金になる。
症状：ヒリヒリ、かゆみ、赤み、つっぱり感など。アレルギーほど特定の物質に限らず、あらゆる刺激に弱い傾向。
対策：刺激となる成分を避けつつ、バリア機能を強化するスキンケアを行う。

アレルギー（接触性皮膚炎など）

原因：特定の成分や物質に免疫が過敏反応してしまう。
症状：かゆみや湿疹、赤み、場合によっては腫れを伴うことも。
対策：原因物質を特定し、なるべく接触を避ける。症状が強い場合は医師の診断が必要。

敏感肌の方がすべてアレルギーを起こしやすいわけではありませんが、肌バリアが弱い状態だと外部からの刺激に反応しやすく、トラブルが起きやすいという特徴があります。まずは皮膚科などで検査を受け、特定のアレルギーがあるかどうかを把握しておくと安心です。

指定成分表示とは？　背景と基本の仕組み

「指定成分表示」とは、かつて“表示指定成分”と呼ばれるアレルギーを起こしやすい可能性があるとされた成分を、化粧品に配合する際にはパッケージなどに必ず明記しなければならない、というルールに基づく表示のことです。

しかし、現在の日本では全成分表示が義務化されており、新たに発売される化粧品については、指定成分だけでなく、配合されている成分をすべて表示することになっています。かつての“表示指定成分”という仕組みは過去の制度として形骸化しつつありますが、依然として「これらの成分は要注意」といった認識が一部で残っていることも事実です。

指定成分例（旧表示指定成分）

パラベン類（防腐剤）
アルコール（エタノール）
香料
タール色素
など、多くの人がアレルギーを起こす可能性があると考えられていた成分が対象でした。

指定成分表示のメリット

要注意成分をひと目で把握できる
過去の指定成分リストを把握している人にとっては、ラベルやパッケージを見たときに、特定の成分が含まれているかどうかが簡単に分かるという利点があります。
アレルギー予防や刺激対策に活かせる
自分に特定のアレルギーや刺激になりうる成分があると分かっている場合、指定成分の表記である程度判断できるため、化粧品選びの際の目安になります。
購入前にある程度リスクが判断できる
通販などで実物を手に取れない場合でも、表示指定成分が含まれるかどうかをチェックできれば、刺激リスクを下げられるでしょう。

指定成分表示のデメリット

網羅性の不十分さ
指定成分リストは古い制度に基づいており、新しくアレルギー原因となる可能性が指摘される成分（海外由来の植物エキスや防腐剤など）は含まれていない場合があります。
全成分表示との混同
現在は全成分表示が義務化されているため、「指定成分表示だけを見ていれば安心」と思い込むと、ほかに配合されている刺激成分や合わない成分を見落とす可能性があります。
一人ひとり異なるアレルゲン
人によってアレルギーを起こす成分は千差万別です。指定成分リストに含まれていない成分が原因となる場合もあるため、必ずしも「表示指定成分が入っていない＝安全」というわけではありません。

敏感肌・アレルギー対策のスキンケア選びポイント

ここでは、50代女性が敏感肌やアレルギーリスクを感じている場合に、どのようにスキンケアアイテムを選べばいいのか、そのポイントをご紹介します。

1. 全成分表示をチェックする

「指定成分表示」だけに頼るのではなく、全成分表示をしっかり確認しましょう。特にアレルギー検査などで「◯◯成分に反応がある」と分かっている方は、その名称（または別名・略称）を覚えておき、化粧品選びの際に避けるようにすると安心です。

2. 低刺激処方やアレルギーテスト済みを活用

最近の化粧品の中には、「パッチテスト済み」「アレルギーテスト済み」と表示されているものがあります。ただし、これらの表示は“すべての人にアレルギーや刺激が起きない”ことを保証するわけではありません。あくまでもテストで確認された範囲ということを理解しつつ、目安として活用すると良いでしょう。

3. 保湿力の高い成分をしっかり取り入れる

敏感肌の大敵は乾燥。セラミドやヒアルロン酸、スクワラン、グリセリンなど、保湿効果の高い成分が配合された商品はバリア機能をサポートしてくれます。ただし、肌に合わない成分が含まれていないかどうか、きちんと見極める必要があります。

4. パッチテストの重要性

新しい化粧品を使うときは、いきなり顔全体に使うのではなく、まずは二の腕の内側や耳の裏など、目立たない箇所でパッチテストを行いましょう。24～48時間経っても赤みやかゆみが出なければ、顔に使うステップへ進められます。

日常習慣にも目を向けよう

いくらスキンケアに気を遣っていても、生活習慣が乱れていると肌荒れやアレルギー反応は治まりません。とくに40～60代の女性はホルモンバランスが変わりやすく、ストレスや睡眠不足が影響を受けやすい年代です。

睡眠の質を高める：規則正しい生活リズムと十分な睡眠時間を確保。
バランスの良い食事：タンパク質・ビタミン・ミネラルをしっかり摂取する。
適度な運動：血行を良くし、肌細胞のターンオーバーを促す。
ストレス管理：趣味やリラックスタイムを設け、心身の緊張をほぐす工夫を。

こうした生活面の改善も、敏感肌やアレルギーの発症・悪化を防ぐためには欠かせないポイントになります。

正しい情報とケアで、健やかな肌を守ろう

敏感肌やアレルギーを持つ方にとって、化粧品選びは悩ましいものです。かつて存在した「指定成分表示」は、アレルギーを起こしやすい成分を分かりやすく示す役割を果たしてきましたが、現在は「全成分表示」が義務化されており、ネット上でもさまざまな情報があふれています。そうした状況の中、ご自身が本当に避けるべき成分は何か、肌を整えるために必要な成分は何かを見極める姿勢がとても大切です。