「ヘナって古くないですか?」
「まだやっているんですね」
以前、同業で同世代の美容師さんに、そんなふうに言われたことがありました。
その時は特に言い返しませんでしたが、心の中では少しだけ、こんなことを思っていました。
古いのはヘナではなく、
美容を見る基準 が違うだけ?
■ ヘナとの最初の出会い
私がヘナを知ったのは、今から20年ほど前。
当時は、いわゆる「年上の女性たち」の間で広まり始めていた印象がありました。
正直に言うと、若かった私は強い興味を持てなかったのです。
・年上世代に良いと言われているもの
・変化が地味そうなもの
・健康意識が高そうなもの
「私はまだいいかな」
そんな距離感で見ていました。
■ 歳を重ねて、見えるようになったこと
けれど、自分自身が歳を重ねるにつれて、
髪や体の変化をはっきり感じるようになりました。
・髪が細くなる
・白髪が増える
・頭皮が敏感になる
・刺激を受けやすくなる
若い頃は
「どれだけ見た目を変えられるか」
それ自体が美容の楽しさでした。
でも今は、
「どれだけ負担をかけずに、きれいを続けられるか」
その基準の方が、自然と大切になっています。
そのタイミングで、改めて向き合ったのが「天然ヘナ」でした。
■ ヘナが“時代おくれ?”の理由
ヘナは、
・派手な変化が出ません
・すぐに劇的にきれいになるわけではありません
・トレンドの中心にいる美容ではありません
つまり、
「すぐ変わる美容」ではないのです。
今の美容は
「すぐ明るく」
「すぐツヤが出て」
「すぐ若く見える」
そんな即効性が求められる場面も多い。
一方でヘナは、
髪や頭皮に無理をさせず、ゆっくりと積み重ねていく美容。
方向が違うだけ。
私はそう感じています。
■ 今の世代に、ちょうどよくなる瞬間
ノーティアにいらっしゃるお客さまから、よく聞く声があります。
・髪がパサつく
・艶が出にくい
・白髪染めに違和感が出てきた
・ダメージの蓄積が気になる
・なんとなく身体に負担な気がする
こうした「はっきりしない違和感」が出てきたとき、
ヘナのような負担の少ない選択肢が、ちょうどよく感じられる瞬間がある。
若い頃には物足りなかったものが、
今の自分には、しっくりくる。
それは、美容が変わったのではなく、
自分の体と向き合う段階が変わっただけなのだと思っています。
■ ヘナ信者ではありません
誤解のないようにお伝えすると、
私は「この世代へ向けてもヘナがすべて正解」だとは思っていません。
通常のカラーが合っている方もたくさんいらっしゃいますし、
白髪ぼかしの技術や、カラーの表現の幅は本当に素晴らしいと思っています。
ただ、美容は
・その人の価値観
・世代ごとの悩み
・体質や感覚
これらすべてを含めて考えるもの。
だからこそ大切なのは、
「今の自分に合った選択肢を、ちゃんと持っていること」
ヘナは、そのひとつにすぎません。
■ 最後に
ヘナを「古い」と切り捨ててしまうとしたら、
それはもしかすると、
ひとつの美容の価値観しか見ていない状態なのかもしれません。
私にとっての美容は、
「変わるためのもの」だけではなく、
「無理なく付き合い続けるもの」へと変わってきています。
その視点に立つと、
ヘナや自然素材を美容に取り入れることは、古いどころか、
今の自分に向き合い、今の時代にもちゃんと合う場面を持った、
次のステージの美容なのだと感じています。
静かだけれど、確かに続いていく。
そんな美容の在り方も、あっていいのではないでしょうか。


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